一般整形外科

腰椎というものは、いわゆる腰骨と椎間板という、骨と骨の間にあるクッションになっている組織から成っています。ヘルニアはこの椎間板が、後ろに飛び出した状態のことを言います。そしてこの椎間板の後ろには脊髄といいまして、お尻から足にいっている大事な神経があります。ヘルニアになり、椎間板が後ろにとびだすとその大事な神経を圧迫して、お尻や足の痛みが出てきます。
治療ですが、急性期はまず安静が必要です。最も楽な姿勢で横になっているということが大切です。痛みがひどい場合は、痛み止めや筋肉を柔らかくする薬を使います。次に温熱療法ですが、お風呂に入って暖めたり、マイクロ波やホットパックという機械で局所を暖めます。また、コルセットの着用も有効です。これは局所の安静と、腹圧を高めて腰の骨を支えてあげるという目的で行います。予防としては腰痛体操ですが、これは腹筋や背筋を鍛えて自分の筋肉でコルセットの代わりを作ってあげるという目的で行います。ただし痛みの急性期に行いますと、かえって逆効果になり、痛みを強くする可能性がありますのでご注意ください。
腰椎索引も有効です。これは腰の筋肉の安静や、ヘルニアによる足の神経の圧迫を減らしてあげる目的で行います。これらの治療で改善されない場合は、ブロック注射や手術の適用となります。

腰骨の後ろ側には脊髄神経が通っている場所があり、この場所が何らかの原因によって狭くなり、神経を慢性的に締めつけることによって、その神経の症状を来す病気です。
この病気には特徴的な症状がありまして、間欠性跛行というものです。これはどのようなものかと言いますと、長時間の起立または歩行を続けているうちに、足からお尻にかけてのしびれや痛みが出現し、歩行が不可能となります。そして患者さんは、前屈みになったりしゃがんだりして、数分間休息をとると、しびれ痛みは急速に快復して、また再び歩行が可能となります。
診断は、レントゲンやMRI検査などを行って診断いたします。治療としては、まずコルセットを着用したり、そのほかに理学療法や、神経にいく血液の循環をよくするお薬などを使います。そしてあくまでも最終的な手段ですが、症状が強くなった場合、たとえば1分も立っていられないほどしびれが強いなどの場合には、狭くなったところの骨を切って開くなどの手術療法もあります。

変形性膝関節症とは、関節のクッションである軟骨が、加齢や筋肉量の低下などによりすり減って痛みが生じる病気です。軟骨がすり減った分、関節の隙間が狭くなり、こすれて痛みが出ます。特に、正座や階段の上り下り、急に方向転換したときなどに痛みを生じるようになります。症状が進行してくると炎症がひどくなり膝に水がたまったりして痛みも強くなってきます。
治療としては、まずは保存的治療を行います。薬や湿布・塗り薬など外用薬の使用、ヒアルロン酸などの関節注射、足底板（靴の中に入れる中敷き）やサポーターを使用した装具療法などが挙げられます。このほかに温熱療法・電気療法などの物理療法や筋力訓練、可動域訓練、歩行訓練を中心としたリハビリテーションも有効です。

捻挫とは、靱帯が伸びたか、切れたかということです。一般の人々は、捻挫というと軽く考えがちですが、その程度によっては、放置すると将来ゆるい関節を作ってしまい、運動時の痛みの原因になってしまうことがあります。捻挫は、症状により第一度、第二度、第三度と、三段階に分類されます。第一度というのは、靭帯が一部伸びた状態で、第2度というのは靱帯の部分断裂、つまり靱帯が一部切れた状態、第3度というのは、靱帯の完全断裂です。
捻挫といっても程度はさまざまであり、その程度によって、しっかりとした安静、及び処置が必要となります。この程度をしっかりと見極めて治療をしなくてはなりません。

骨粗鬆症は、骨密度が低下し骨がもろくなる病気です。初期には自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行し、ちょっとした転倒や衝撃で骨折しやすくなります。「最近、背中が丸くなってきた」「身長が縮んだ気がする」「ちょっと転んだだけで骨折した」など、このような症状やお悩みをお持ちではありませんか？
当院では、骨密度測定装置を用いて骨密度を測定し、骨粗鬆症の早期発見・早期治療に努めています。診断結果に基づき、薬物療法、運動療法、食事療法など、患者様に最適な治療計画をご提案いたします。骨粗鬆症は、早期発見・早期治療が大切です。ご不安なことやご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。